天皇陛下のお言葉は、そのひとつひとつが本当に有難く、
ただただ聞き漏らさないよう丁寧に拝聴する気持ちになる
とともに、時折、感極まられて涙声になられるご様子には、
なんとも胸の苦しいような気持ちにもなった。
もらい泣きとかそういう感情ではなく、少しつらかった。
高森先生によれば、今回のお言葉は、陛下のお気持ちが比較的
はっきりと示される、事実上、最後のものと言えるとのことだ。
「憲法で定められた象徴としての天皇像を模索する道は
果てしなく遠く、これから先、私を継いでいく人たちが、
次の時代、更に次の時代と象徴のあるべき姿を求め、
先立つこの時代の象徴像を補い続けていってくれることを
願っています」
このお言葉を聞いているとき、
私の脳裏には、幾多の層をなした「歴史」そのものを体現され、
常人には伺い知ることも、追体験することも決してできない、
途方もない場所に、陛下がこの日本でたったおひとりでぽつりと
佇まれているような御姿が、ふわりと映ったような気がした。
そして同時に、「次の時代、更に次の時代と」という表現が、
本当に、本当に、陛下の切なる思いであるように感じた。
しかし、大ちゃんの独唱には真面目に緊張した。
10代、20代のだいちゃー(三浦大知ファン)は、彼氏でも
見つめるようなうっとりした気持ちなのかもしれないが、
私の世代になると、弟か親戚の子か、とにかく「うちの大ちゃん」
を見守る気持ち全開になっているので、歌い出すまでがやたら
ハラハラしていた。
歌を聞いて非常におだやかな気持ちになり、そして、
両陛下がご退出される時、笑顔で話し掛けられるのを見て、
「うおおお、大ちゃんが天皇陛下に話し掛けらてる~~っ!」
と異様に興奮しただいちゃーは、私だけではあるまい…。